『ニッポン病への処方箋』

『ニッポン病への処方箋』

 デジタル社会のグランドデザイン部会報告書『ニッポン病への処方箋』を当サイトでも公開しました。

 今日のコロナ禍では、我が国社会のデジタルに対する習熟度が試されると同時に、新しい生活様式におけるデジタル活用の重要性について改めて考えさせられました。
 昨年2020年2月の第一波では、マスクや消毒剤といった衛生用品の品切れが相次いだ。マスク不足に政府は1億5000万枚のマスクを配布したが、品質上の問題などからほとんど効果は伴わず247億円の国費を浪費しました。これに対して同時期の台湾ではIT大臣のオードリー・タン氏を中心に、マスクを始めとする衛生用品の在庫状況をマップ上に展開し30秒ごとに更新をかけることで市民に的確な情報提供を行ったことが話題になりました。ここで費やしたコストの詳細は不明だが、少なくともアベノマスク配布コストの1%も費やしてはいないと思われます。

 また、休業補償や持続化給付金の申請から給付までに異常なほど時間を要したことも問題となりました。とりわけ、持続化給付金の申請では、前年度の確定申告書類や申請対象月の売上台帳などの提示が求められ、申請後かなり時間が経ってから書類の不備等が指摘され振り出しに戻されるなどかなり混乱したとも報じられました。
 韓国では、同様の持続化給付金の申請もマイナンバー(住民登録番号)などの最低限の情報をスマホなどから入力するだけで数日間で給付金が受け取れています。また、我が国では申請が必要な定額給付金も、韓国では自動的に口座に振り込まれる仕組みも取られています。
 韓国でこうした迅速かつ簡便な対応を可能にした理由は、国に申告したデータが適正に活用されたことにあります。持続化給付金請求の際に求められる前年度の確定申告情報などはすでに国税庁で把握しており、マイナンバーによりデータを紐づければ容易に収集可能なはずですが、我が国ではこうした連携がとられていないことに原因があるといっても過言ではないでしょう。これでは、何のために数兆円もの膨大な国費を投入してマイナンバーの仕組みを構築したのか分からなくなります。

 さて、このように我が国のデジタル施策が緊急事態ですらも有効に機能せず、e-Japan構想から20年余りも経た今日においても社会に浸透し利便性が享受できる状態に至らない背景には『ニッポン病』という我が国独特の阻害要因があるのではないかと考えました。
 つまり、本来は社会環境に対応して社会制度が構築され、制度を支える手段としてデジタル技術が位置付けられるべきであるところを、我が国では従来の社会制度上にデジタル技術を覆い被せる努力のみが続けられた結果であると考えられます。言い換えれば、本来は社会制度を支えるための手段であるはずのデジタル化がいつの間にか目的化してしまい、無理やり先端的なデジタル技術の導入にばかり腐心してきたといえます。

 ニッポン病について8分ほどの動画にまとめました。

さて、コロナ禍を機にこうした「ニッポン病」から脱し、真のデジタル社会構築に向けた政策提言を報告書では行っています。 詳しくはこちらをご覧ください。

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